コンクリートとは

コンクリート

身近なコンクリート

コンクリートは、とても身近な材料です。

その理由として、原料が入手しやすいことが挙げられます。コンクリートの原料は、日本全国どこでも入手することができます。一番肝となる原料は、セメントの主原料となる【石灰石】です。ほぼ100%国内でまかなえるこの原料は、原料が乏しい日本にとって貴重な原料となります。コンクリートは非常に安価で、購入するミネラルウウォーターよりも安く500mlで7円程度で流通しています。

石灰石に粘土、珪石、酸化鉄などを細かく砕いて混ぜ合わせ、大きな窯で焼いて【クリンカー】というセメントになる前の中間の製品を作ります。その【クリンカー】にせっこうなどを加えてさらに細かく砕いて【セメント】に仕上げていきます。

石灰石
クリンカー(中間生成物)
セメント

また、もう一つの大きな理由として形成が自在ということがということも挙げられます。型枠を組むことができれば、どんな形状のものでも造ることができます。

コンクリートは、そうした背景から、現在もっとも優れた建築資材であり、その構造物は、日本全体で100億㎥に達しています。これは、実に富士山7個強という体積で、そのとんでもないコンクリートが日本列島に乗っかっているのです。また、この総量は、日本全土の面積を2.7㎝の厚さで覆うことができるという膨大な量です。

コンクリートは半完成品

コンクリートは、大量に使われ始めてから60年程度で、歴史がある材料です。 しかしながら、建築・土木業界に身を置く私たちが感じるのは、 正しい知識や理解が一般はもとより、業界にすら浸透しているとは言い難いということです。誤った認識が、実際に多くの問題を引き起こしています。

コンクリートとは通常固まった状態のものを指しますが、まだ固まっていない流動性を有するものは、生コン(フレッシュコンクリート)といいます。

ミキサーによる生コン(フレッシュコンクリート)練り混ぜ状況
生コン(フレッシュコンクリート)打設状況
硬化したコンクリート(倉敷市立美術館_丹下健三氏設計)
老朽化した鉄筋コンクリート建物

このことから、コンクリートは半完成品であると言えます。 生コンから固まるまでの間、その後の管理の仕方といったところ、つまり、施工の知識や技術が加わって初めて完成品となるのです。