木材の変色【金属媒染】

木材, 染色

媒染とは?

媒染とは、染色の過程において、染料を繊維に定着させる工程のことです。

布を染める草木染というものがありますが、

①植物を煮て対象物を浸す

②金属を溶かした液に浸す(媒染)

この2つの工程で染めていきます。

①の染液だけでは色が安定しないので、

②で染料を繊維に定着させるのです。

①植物に含まれる成分と②の中にある金属イオンが結合することで染まります。

また、②の液体は媒染剤と呼ばれ、色(染料)を対象物に定着させてくれるものです。 鉄や銅、アルミニウム、チタン、錫(すず)など、主に金属が使われています。

木材の変色に応用

その技術を木材の染色に応用します。

(以後、金属媒染と呼びます)

金属媒染でよく使われるのが、鉄、銅、アルミニウムですが、ここでは鉄媒染をご紹介します。

DIYなどでよく紹介されているのは、 お酢の中にスチールウールや鉄釘などを入れ、溶かし出した溶液を木材に塗ることで、灰〜黒色に染めるという方法です。

お酢によって鉄が溶け出して、鉄イオンになります。また、木にはタンニンと呼ばれる成分が含まれており、それらが結合することによって発色するという原理です。

日本では、明治時代末期まで女性が行っていたと言われるお歯黒(歯を真っ黒にする化粧)もこの原理を利用した染色です。

婦人相学拾体(享和時代)喜多川 歌麿

オリジナル媒染剤の開発

上記の酢酸鉄のように、よく使われている媒染剤がありますが、 お酢の匂いが強いことで扱いが難しかったり、媒染剤自体のコストが高いことが欠点として挙げられます。

HERMETICでは、これら金属媒染の原理を踏まえて、新たな媒染剤を開発し、実用化しました。

自然素材を使用していますので、安全です。

また、一般的な塗装と同等のコストで仕上げれることも魅力です。

現在(2018.10月時点)で2種類の媒染材×木材の種類×その後の仕上げといった組み合わせが多数ありますので、一部をご紹介します。